陽の埋葬/田中宏輔
 

(ゲーテ『ファウスト』第一部、相良守峯訳)

ハンカチをお空け、
(シュトルム『みずうみ』森にて、高橋義孝訳)

さわってごらん。
(ジャン・ジュネ『花のノートルダム』幌口大學訳、句点加筆)

そこで、わたしは生まれたのだ。
(オウィデイウス『悲しみの歌』中村善也訳)

──誰でも胞衣(えな)をかぶって生まれてくるんでしょうね?
(芥川龍之介『夢』罫線及びルビ加筆)

それが僕というものを拵えている。
(ヴァレリー『テスト氏航海日誌抄』小林秀雄訳)

のがれることはできないのだ。
(ガルシン『ナジェジュダ・ニコラーエヴナ』小沼文彦訳)

ああ、苦
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