夜は明けるのだという寓話/ホロウ・シカエルボク
 
ただ照明の忙しない明滅の中で似たような絵ばかりが繰り返される

時折、似たようなかたちの毛糸人形をたくさん作って
整列させたそばから首を切り落とす遊びをする
ピンク・フロイドの映画を思い出しながら
確かにわたしは初めからあんな物語を理解していた
そんな夜は決まって一度だけたくさんの量を吐く

機械ではない、生身の身体を捕まえて正常だの異常だのと
世界の眼差しはいつだって狂っている
初めから壊れているのならそれは正常だし
壊れることを知らないままならそれは異常だと
本当はだれだってそれを理解しておかなければいけないはずなのに

あなたが始めた嘘はいまでもあなたの部屋の本棚
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