夜は明けるのだという寓話/ホロウ・シカエルボク
もしかしたらもう一度かかってくるのではないかと
少しの間見つめていただけだった
コミュニケーションツールが幾つあっても線は断ち切られる
アスファルトは本当はみんなシャレコウベかもしれない
わたしたちの人生はすべて、最初の人類のリメイクかもしれない
数え切れぬほどの命があり、数え切れぬほどの生活があって
宿命の先へと行けるのはほんの一握りだ
かれらがどうしてそんなに無自覚なままで居られるのかわたしにはわからない
激しい雨が降ったかと思えば太陽が照りつける
まるで人格障害を患った人間の夢のように
様々な景色が入れ替わる窓の外を眺めながら
それをあまり不思議とも不快とも思わ
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