燃えかすたち/◇レキ
 
ている
届かないと知りながら天窓から見える月
窓が風でガタピシなるのが怖い

焼けてしまった
過去の可能性の灰を
手にとってはこぼしを繰り返す





平べったいサンダル履いて
水たまりをべちゃべちゃ歩く

一つ願いが叶うなら
文化祭で会いに来てくれた誰かもしれぬあの子に
何もしゃべれなかったことを謝りたい





薬でぼやけた綺麗な夕日を
久しぶりにリトマス試験紙で測ったら
苦しみと書かれていた

僕の真後ろには
真っ黒な穴が空いていて
歩けども歩けどもついてくる

この社会に自分をすり合わせるために
皆は病的な部分を持って
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