燃えかすたち/◇レキ
 

たまに隙間風が吹いてきりきり痛むのだ

呻いても歯ぎしりしても
のたうちまわっても治らない

それは過去の過ちがうずくから

それは今の惨めさが嘆くから





魂は魂だけだと抜け殻なのだ

時間をかけて磨いた
他の余計な美しいものたちや

努力のスッとした立ち姿
その他もろもろによって

初めて魂に色が付き
炎を燃やし始めるのに

少年がそれに気づく頃には
時間はすっかり灰になり
魂だけの魂が
汚い部屋のその辺に
干からびて転がっている





実は一つ
ある日天から降ってきて
どちゃりと地面に落ちて
鳥に食われ
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