燃えかすたち/◇レキ
 
しみもないのに
呼吸するように詩が書けるのだろう

全部無かった事にして過ごす
全部無かった事なのだ……

そっと小さく過ごす
誰に見られているわけでもないが
自主的服役のつもり

煙草の煙の無性に嗅ぎたくなる

夜じゅう扇風機をつけている

嵐の夜に猫が鳴いてる





くすぶっている?
くすぶる事すら忘れた
生気の火種はすっかり消えた

何も実らない?
毎日毎日種植え忘れて水をやる
虚空に向かって虚ろな瞳で笑う

泥の海に音もなく穏やかに溺れる

今日もとってもいい天気だなぁ





少年の心はぽっかり空洞で

[次のページ]
戻る   Point(5)