海びらき/soft_machine
 
 海は準備活動を終え
 ひらかれるのをを待っている
 次つぎと飛沫をあげくる
 首から下が海にとっては

 たくさんの人間達のように
 いつかは愛したいよ
 あの空の
 離れるほどそそられる青い壁は
 波に触れた程度では
 感情ですらないのに
 遠ざかりながら溶けあえる

 忘れることもできて
 痛みも素敵
 この爪にとじこめられた古い血だまり
 きみのちいさな
 きれいな
 花のように躊躇わず
 それはその先で
 砕けたって構わない

 時どき白い雲が
 どこからか来て
 別の雲を重ね
 どこかへと消えて

 今は完全にひらかれ
 首から上だけが笑いあいながら
 その他として深い渦だけ
 いつまでもちぎれる




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