海びらき/soft_machine
海は準備活動を終え
ひらかれるのをを待っている
次つぎと飛沫をあげくる
首から下が海にとっては
たくさんの人間達のように
いつかは愛したいよ
あの空の
離れるほどそそられる青い壁は
波に触れた程度では
感情ですらないのに
遠ざかりながら溶けあえる
忘れることもできて
痛みも素敵
この爪にとじこめられた古い血だまり
きみのちいさな
きれいな
花のように躊躇わず
それはその先で
砕けたって構わない
時どき白い雲が
どこからか来て
別の雲を重ね
どこかへと消えて
今は完全にひらかれ
首から上だけが笑いあいながら
その他として深い渦だけ
いつまでもちぎれる
戻る 編 削 Point(4)