車輪の詩/ミナト 螢
 
夏の夜空に
打ち上げられた花火を
僕の車輪にして

遠く離れた
君のいる場所まで
漕いで行く

群青の草原を
駆けて足りるなら
炎の縁に
君を飾りたい

花火が街を照らす間に
栞を挟んで君に触れたい

星のペダルを踏んだら
交わした声を
ずっと覚えていよう
戻る   Point(6)