社会の窓を/AB(なかほど)
も
i
何もかもわからなくなってしまって
i
ふたりには見えてるのかな、聞こえてるのか
な、感じているのかな
i
ふたりの思い出を掛け合わせると、未来では
なく過去になる って声がする
その
i
の中でまだ僕はたまごをあたためている。何
を信じているのか、まだあたためつづけてい
る。あたためつづけている。
もう少しで
i=0 になって
やがて、ようやく、笑えるのかもしれない。
それまでもう少し、もう少し、とあたためて
いる。iの中であたためている。
始まりにはなかった原核生物からシロナガス
クジラまで、生まれ出た僕らが生きてゆく、
この全ての世界へ。
i
君達はすべてのものに、ほんとの社会の窓を
開け放つために生きている。
それを抑えつける真実のない化け物たちよ、
XYZ.
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