ある日/soft_machine
空っぽのランドセルに
かなしみをカタコト鳴らしながら
工事現場は夕暮れの渦につつまれる
瞳が裂けた子をひとり
ひかりの膜にとり戻す
想像上の友だちは
会いたい気持ちを反故にされた
足もとでピリリピ
散らばるものもまた
折れ釘を認めながら
謝れなくたって
いいやと思った
みじかい夏への脱出口があるなら
踏み抜いた痛みや
焼け落ちたような
窪みの残れ
かつての
住人達の
終わりに際して
満足いく科白を
思いつけないや
あくびに忙しく
川面に浮かぶ鳥の寝顔などが
ふうわう
空に遊ぶ
ふり蒔かれた金剛粉
枯枝を掴んだままゆれ残る
狐猿の中指
焚き火がつめたい
バッハもつまらない
みずいろ
そらいろ
こぼれる感情
かわいてゆく重量
ちがう泣いてなんかない
これは自分が駄目になるんじゃなくて
自分を
駄目にするって
したくなくてもそうなる日
けどね
笑い方だけは別にある
菓子パンひとつ
握り潰して
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