お魚くわえない猫/AB(なかほど)
我が家では
いただきますの後
ニャー と号く
あの日から
そうしてる
魚屋さんには夕陽がさす。それは、雨が降っ
ていても、モールの中でもかまわずに。その
匂いの中に射してくるのだ。と俯いたり。
それじゃ、見えるものも見えなくなってしま
うっ て、そう言ってた君を思い出しては、
明日のほうへ顔を向けたり。
明日は
来るのだろうか
いつもの夕陽が優しすぎるから、明日は来る
のだろうか。君の夕陽は、そして、君の明日
は。あいかわらずの僕は、俯いたり、顔あげ
たりの魚屋さんで。
我が家では、いただきますの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)