うすむらさき/はるな
 

このまま、眠らないでいると
うす紫の夢を見るじゃん
嘘のつがいが 空を
飛ぼうとするじゃん
飛ぼうとして、飛べなくて
それでもいいかって笑うから
嘘の全部が 愛になっちゃうじゃん


ビニールでできたかばんをふりまわして
街ごと君が揺れるとき、
おかしくて かなしくて
夏が来ようとしている
壊れた扇風機の首振り、ブロック塀にぶつかった白い跡、看板を出したまま潰れた喫茶店
注ぎかけた愛情の
受け皿もないままに
踏みとどまれずに流れていく

でも街は大きくて
どこかもっとずっと低い場所で
愛たちも帰って眠るだろう




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