お地蔵さん/soft_machine
都会の片隅に、にっこり
置いとかれたお地蔵さん
短い夢にからかわれ
ビルからまたビル渡り
錆びた引戸の奥で
さよならぽつり
きみはやわらかに抱きしめ
つつみながら
たかく背負う
ネクタイを鉢巻に脱すると
雑踏に背を向けた
とっくに都会では
存在を疑われていたから
(行き止まりに
提灯ぶらさげてくわ)
雨にけずられ
風にさらわれ
歩みはことり
それでも細かなひび割れに笑う
お地蔵さんは
確かに石でした
どこか山を想わせる
童謡にもある
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