sketch/
ryinx
いまとなれば
遠いおはなし
うすい膜のなか
半透明の階段をのぼる
(あしおともきこえない)
くうきの浸透圧で
うかぶ猫の蒼い眼が揺れる
水の音が、間隔をおいて、したたる
どこかで
だれかの
気配が
気のせいかもしれない
光線の跡を辿ると
あたりは狭い路地で
マーケットは、閉じている
足音もしない
それは 化石のように
ただ沈黙をまもっている
いろいろな物事の
点と
点を繋いで
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