あける現/ひだかたけし
光が奏でる
響きの旋律、
雪面に続く
野兎の足跡、
延々と輪舞し跳躍し
今日、隣のおばさんは
今の若者が結婚したがらないこと
嘆いていた
怒涛の波 押し寄せる
その前触れに
反復される 静かさ
この夜 私を包み込み
脈動する肉体、均衡の内に魂、佇む霊性
裏返る響きの旋律、
限りない郷愁誘い
柔らか純白の窪み、
野ウサギ達の足跡
延々と輪舞し暗闇に跳躍し
行き着く先、死生超え
果てない途、一つ一つ
既に在るものではなく
意志掴み取り開ける現
無常への哀愁 断ち切り、
帰属無き人生 受け容れ、
あける現、一つ一つ 延々と永遠に
戻る 編 削 Point(3)