声(改訂)/ひだかたけし
突き抜ける、
独りの個の限定された
知覚を感情を世界観を
声 響き渡る、声 突破する
混沌とした音響のなか
人間社会というザワメキをウナリを
私という存在に真っ直ぐ突き刺さる
貴女という全存在の刻印された
孤独な発声は
私を遠く奥へ億へ導く
わたしの苦しみはわたしの苦しみ
あなたには体験出来ない
あなたの苦しみはあなたの苦しみ
わたしには体験出来ない
けれど、
私たちの存在は
同じこの世界に宇宙に属している
無限に広がる世界の宇宙の一分肢
私たちは同じ 私たち同じ共鳴
狂ったようにひたすら疾走しながら
狂ったようにひたすら叫びながら
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