いつか あえかなきみ/AB(なかほど)
 
ように、あえの風に流されて
いくように、なにげなくやさしい人たちのい
としい ともれてしまうのが蜩の声。



こんなふうにしてるのを、きみは見ている。
その瞳が何を言いたいのか、詩人でもないか
らわからないよ。でもね、それでもいいよ。
そばで、遠くで、ずっと前から、そうしてい
る。ときどき思うんだ。誰かのあえの風にな
りたいって。その誰かはきみかもしれない。
きみ以外の誰かにしか届かないのかもしれな
い。それでも。





西方のかなたから
東方のかなたから
いとしいって
少しなくだけで
はるか彼方の誰かが
少しだけ
あえの風を感じて
きみに
きみたちに
微笑んでくれる

苦虫ばかりのIさんも、相変わらず優しい



   





    

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