カタコトや/ただのみきや
だす
糸の向こうに神ときみ
芝居小屋の篝火に
火取蛾おどりシュッと鳴く
ああまぼろしやまぼろしや
糊付けされたページの中に
ふたりの卑猥が隠れんぼ
いわれを追われ忘れて祝え
日々これ祭り
むらさきマリア
──稲光と轟きの間にいくつ嘘をつける?
ああまどろみやまどろみや
沼のほとりで機を織る
狂うことなく通う者なく
残光自然薯(じねんじょ)頭陀袋
霞を食ってキスミーキスミー
カタコトや
ああ啄木鳥(きつつき)や松虫や
(2023年6月17日)
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