カタコトや/ただのみきや
天した
頭の中からとめどなくあふれ出る
タンポポ きいろい タンポポ
息絶えた土
墓石のような暴力だ
狡猾な光の中で
えくぼは帯を解く
無言の尋問が始まった
*
ことば探して
こころ隠して
曲がった角で見栄を張る
破れた音
飛び去る影
ことばを脱いで白を切る
*
恋人の首と小指を
苦しまないよう間引きして
暗い未来に安堵する
時の炎に炙られて
カラッカラに反り返る
ああまなざしやまなざしや
馬鈴薯の花
苦笑するバラ
青い胡桃の樹の下で
トカゲのしっぽと指切りげんまん
真昼の夜がつめたく開き
足音だけが笑いだす
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)