夜想61/ひだかたけし
 
トーキョー あるいは地獄
不協和音の連弾
太陽の上昇
騒ぎあかした疲労の夜明け、
異邦の声の感触 未だ濃密に

朝に眠り夕に目覚めたあの頃、
地獄突き抜け
何処までだって自分は走れると
そう想っていた

*

トーキョー あるいは天国
和音の連弾
月光の冷気
眠り起きまた眠り起き 
たまらず更に眠薬服す夜明け、
悪夢生々しく残響し刻印され

異邦の声の感触 透明な呪いの響き
引き寄せられ直観認識する夕方まで

日々 何処までも、
意識の持続にて

肉の病に耐え歩き続ける、

反復の摩擦の熱 いつか天国突き抜け
更なる現の感触に燃えて在らしめる迄













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