永遠には生きられないけど/ホロウ・シカエルボク
に居ない友達や教師の悪口、取るに足らないヒットソング…そんな楽しさが拷問のように繰り返された。そして、社会に出てもそれは続いた。でも、心から楽しむことは出来なくなっていた。仕事は学校よりずっと難しかったし、様々な年代の様々な人間の機嫌を窺いながら動かなければならなかった。学校を出れば自由になれると思っていた。でも、それは淡い夢だったのだ。守られた檻の中での自由。動物園の動物たちと同じ自由。でも、そのことがわからなかった。わかったところで、どうすることも出来なかった。夢のような時間が永遠に続くと思っていた。そのうちに眠れなくなった。医者に通い、薬の力で眠り始めた。でも眠れたのは最初のひと月だけだった
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