雨滴のうた/ひだかたけし
 
雨滴、落ち続ける
軒先から
規則正しく
リズミカルに

この部屋の、向かいの家の、
取り壊されたまぼろ実家の、
軒先から 重なり次々
透明な音響かせ

そうしていつか
それら、
和音となり 
街行く人の
傘の揺らぎ、歩速にあわせ

この世の旋律 密やか奏で響かせ、

落ちる 落ち続ける



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