やわらかい丘/soft_machine
撹拌された
街の音や願いが
クラシック風の音形をなぞる
やわらかな丘の群で拾われる古代
おしゃべりな小鳥
衰弱しかないその聲に
仮託された笑みは
発点してしまえばいいよ そういう
踊りはじめようじゃない そういう
甘い糖衣に包む 何もかも
時代にも 雨にも ふさわしいといえる
*
夜半
美しいと思いなおす一語
蛍雨
ほの昏いことばを綯いながら
ひだり手のこゆびをつかむ
くすりゆびには寝息
そして夜の瞳にも
きっと来るより深い眠り
星の川が枯らされた空の下
そこだけたんぽぽが咲いている
かたい道をわって
いつもなつかしくひらく
小川の上で
白いしずくも くるり
うら返る水車のはね
*
背なかにやわらかい波を感じたら
胸をひらいてごらん
笛をふいてごらん
ごらんにいざなわれた
いつかの子どもが呼んでいる
足をまわし
声をあずけ
古い木にいだかれるひろがり
三つ編みにふわりをひそませ
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