ミニカ360/イオン
 
乗り込むのを
おもしろくて見ていた
ミニスカートではなかったが

猪俣先生は
児童の個性を活かす指導をするのに
フランクな人ではなかったので
親同士が宇宙人のようだと話していた
そしてミニカに乗せてと言っても
いつもやんわり断られた僕は
宇宙船にお尻から乗り込み
夕暮れの街にミニカが
飛び立つのを校庭で見送った

その宇宙船にお尻から乗り込む
洋式トイレの便座に座る感覚で
意外にも収まりが良い
このコックピットで僕は確信した
猪俣先生は宇宙から通っていたのだ
宇宙と行き来するには
ロケットを作るメーカーの
自動車でなければならなかったのだ
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