帝王学/うみこ
 




安らぎつつも

抗うような様子を

長い月日のすえに見つめながら



いずれ誰もに

不平等に

訪れることに

引き裂かれて



思い出すときはただ

握りしめた力の中、



比例して迫り来る

おもいでの

かけらたち



いつまでで

どこからだったかわからずとも私たちは



あなたのことが

大好きだった



この世界の

どこを見渡しても

隅から隅まで

叶え知り尽くしても

奪い忘れ去ってもなおひたすらにひとりきりのわたしの父へ


かぜのように告げた皮の厚い手のひらをもつ私の父へ








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