帝王学/うみこ
に
安らぎつつも
抗うような様子を
長い月日のすえに見つめながら
いずれ誰もに
不平等に
訪れることに
引き裂かれて
思い出すときはただ
握りしめた力の中、
比例して迫り来る
おもいでの
かけらたち
いつまでで
どこからだったかわからずとも私たちは
あなたのことが
大好きだった
この世界の
どこを見渡しても
隅から隅まで
叶え知り尽くしても
奪い忘れ去ってもなおひたすらにひとりきりのわたしの父へ
かぜのように告げた皮の厚い手のひらをもつ私の父へ
.
戻る 編 削 Point(1)