誰かが遠くで笑ってる/ホロウ・シカエルボク
 

路上に散らばった散弾銃の薬莢を拾いながら朝早くから昼過ぎまでずっと歩いていたんだ、それが本物かどうかなんてことはどうだってよかった、サバイバル・ゲームに使われるチープなものだって全然かまわなかった、ただそれが薬莢っていう概念のもとに存在しているものであるのなら紙細工とかでもかまいやしなかったさ、どうしてそんなことをしていたのかって?理由なんて説明出来るほどのものはなにもないんだけどね、そうだ、ただ、あの日は朝からとても退屈していて、それを道端に少しずつ散らばっているのを見つけたそいつを拾い集めて歩くことが、その日俺が手に入れることが出来る最高の娯楽のような気がしたからさ、事実、そんな予感に間違
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