貝 拾う/ひだかたけし
潮騒の岩場に遊んだ日はいつの時か
孤独の壁に気付き響かせたのはいつの日か
病んだこの肉体引き摺り夜闇に紛れ込む
透明な呪いの声に旋律にリズムに耳澄まし
ビート、原初から
打ち鳴らされ
肉は滅びつつ在り
魂 生活に努め
ノイズ
個体という異和、
紛れ込まし
ビート、原初から
打ち刻まれ
都市はいずれ透明な呪いの力によって引き裂かれ
新たな秩序を求め彷徨するだろう
その時、
潮騒の浜辺に無数の蟹が横走り
わたしはひたすら貝を拾う
懐かしい磯の香に包まれ、
私は一心に思考し 貝 拾う
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