死者の数だけ歌がある/ただのみきや
 
形の三つの頂点は
おのおの自分が山の頂だと思っている
当然あとのふたつは自分の下にあると
勝ちか負けか 上か下か めだかめだか
めだかめだかめだかめだかめだかめだ
紙が壁に貼られることはない
永遠や無限のように
二次元人は高さという概念を手に入れた
おのおのが自分の頭の中の高みに砦を築いている
しかしかめだは泳ぐのだ
言論の自由型
ドーピングでバタフライ
(だめか! だめなのか! )
軋む象牙の水際から
ご覧涼しい 死者のまなざし



                    (2023年5月20日)










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