道端の神様(改訂)/ひだかたけし
 

斜光が
千年(ちとせ)の
斜光が
赤々、
街道沿いの
植木を
染め

やっと夕暮れ、

道端に座り
さっきまでずっと
哭いていた神様、
その陶器の肌のような
豊穣な涙に
自らの透明な輪郭、
溶かし込み

水の流れに
己という熱、与え

暴々と、
ボウボウと、

一気に燃え上がり

千年の斜光、
焼き尽くす

道端の神様、
そうして
夜の太陽と成り

人々の内面、一晩 照らし出す







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