生死の花束/
ただのみきや
安く買いたたかれた死
きみの首からさげられたぼくの銀色の死
今も野山を駆け回る瑠璃色の死
どこまでもことばで言い表せそうな
あたまの中にだけ吹く風のような
死
膝の上で撫でられながら
飼い馴らされることのない死
死の香水
死の背中に額を当てている
眠るような死
死に置き去りにされて目覚めた朝
(2023年5月14日)
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