生死の花束/ただのみきや
見つめ返しているのは自分自身か
自分の中からこっちを見ている誰かなのか
声と声のように
像と像も響き共鳴し合うのだ
ことばの影が動き回ってじっとしないように
グラスの氷をカラリと鳴らし
薄まる前のラムの香りを
夜と見まごう胸にだかれて
沈む鉛の瞑る歌声
ことばを脱いで海の泡沫
矢継ぎ早の死
死の行列
死のトランプ神経衰弱
親しくなければ死はただの死
死者よりも無表情
陽だまりの草むらの
美しい死体
その上でもつれ飛ぶ二羽の蝶
ゆっくり近づく死
突然現れる死
少しずつおろして死の残高を減らす日々
親方から前借りする死
転売された死
安
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