コバルトブルーの涙/
久遠恭子
音韻を小瓶に入れて思い切り放り投げた
海岸線を歩けばカモメが鳴いて
子供達がはしゃいでいる
それを横目で見ながら
私はするりと通り過ぎる
明るさはいつも影を落とす
その事が私の胸を締め付ける
壊れた石ころ
擦れる貝殻の音
点滅する灯台の明かり
海辺に浮遊する昼と夜
歩いても辿り着かない
パラレルワールドの中で
音韻を小瓶に入れて思い切り放り投げた
花びらをそっと添えて
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