金のカギ(改訂)/リリー
 
 京阪電車の踏切渡った坂道で
 目に付く酒房の黒い看板
 『道草』は
 今朝も眠りについたまま
 
 道幅せまい通り
 店とは反対側を歩く私は
 人の流れを避けて立ち止まる

 登校途中の四年生ぐらいだろうか
 ランドセル並べ笑い合っている
 ショーケースに墨で書かれたメニューの貼り紙を指差したりして
 
 何 話してるのかな?
 楽しそうだな
 だけど、あの子たち否応無しオジサンになる
 だったら
 掌に小さな カギ
 金色の輝きに
 やがて希望を夢みてすごしてほしい

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