しらふで死にな(毎日は降り注ぐ)/ホロウ・シカエルボク
 
の、それが言葉だ、わかるだろ、凡庸な連中は判で押したような決め打ちのフレーズしか使わないよ、俺は始めあれにはなにかしら理由があるのだろうと思っていた、面倒臭いからそうしてる、とかね…そんな、取るに足らない理由がね…でも違うんだな、彼らは本当に信じているんだよ、そんなことを言ってる自分自身ってやつをね―本当に心から信じているんだ、そこに理由なんてたぶん無いんだよ、みんないつだって、なんでもかんでも口にすりゃいいと思ってる、でもそれじゃ駄目なんだ、それをどんな風に言うのが正解なのかってことをもっと考えなくちゃいけないのさ、言葉は絡み合って違う意味を持つことが出来る、意味そのものではないというのは、漠然としたものを漠然としたまま語ることが出来るということさ、まとまらないものをまとまらないまま表現するからこそ、人はそこに命の蠢きを見るんじゃないのか…俺は靴を履いて猛烈な光の中へ歩き出していく、蛆のような概念は遠巻きに俺を見つめながら、襲い掛かるチャンスを狙ってでもいるみたいだ。


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