しらふで死にな(毎日は降り注ぐ)/ホロウ・シカエルボク
らそれは始まっているんだ、だから俺はそんなものに興味を示したことがない、持ち物は汚れるし、判断力だって鈍るしね…そうなると半径数メートル程度の領域の中で好きに生きることしか考えなくなる、いや、でも―それだけが原因じゃないな、思うに俺は俗物的な感覚というものがまるでないんだよ、思春期、その響きだけでもウンザリするような思春期に、皆が当然興味を持つようなことにまるで興味がなかった、流行の歌とか、太いズボンとか、美容室で切った髪とかね…その頃に誘われて煙草なんかも何度かは吸ったけれど、何が面白いんだっていう感想しかなかったよ、痰が絡むし、視界は霞むしね、まったくつまらない代物だった、まあ、そのころには、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)