勿忘草/ミナト 螢
 
どんな花だって
一度は誰かに歌われたはず
だから綺麗でいることに
意味があると思うの

君に見つけて貰って
安心したせいなのか
少しわがままな癖を
隠し切れなかった

それでも花のように
君を喜ばせたくて
色んな景色を用意した

だけどあの頃はもう
僕だけの問題じゃなくて
君自身が揺れていた

悪い所も抱きしめられたら
良かったのに
僕では力が足りなくて

君は違う世界へと
歩いて行った

僕は棘のある花だった
誰も摘んではくれない

忘れられても
会えなくなっても
美しいままの
君を見ている
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