葵橋。/田中宏輔
 
}る水の流れ
?(うね)り紆(くね)りしながら
月の光を翻(ひるがえ)し、星の光をひるがえし
流れに流れていく、水の流れ
水面に?がれたさまざまな光の点綴(てんてつ)が
ぼくの目を弄(ろう)しながら流れていく
水面に靡(なび)く、窓明かり、軒灯り、街灯の
滲み煌く輝き、ほくる眺め
揺蕩(たゆた)う、映し身
ぼくの死体よ
冷たくなったぼくの死体よ
おまえを追って
いまひとり

ぼくはまた葵橋の上から身を投げた






 
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