悪でいい、囁き/soft_machine
とても大きな
わたしを引き寄せる力
胸が苦しくなっても求めた
果物の芯と愉しみを並べ
羽翼のむくろで憐れみを繋ぐ
意思が現す 作りものとして
中身を 刻み続けた
次第に吸いこむ力に移り
心を裏返してしまう
広がりは 柔らかかった
一瞬の春
描かれるのを待つ
画紙を水細が打つ
首に ひゃっと指がくい込むのも構わず
君は微笑んで 夕食に誘うだろう
私は削り出しのハンドルを掴みそこね
誰にも頼らずなみだを落とす筈
記憶を歪めながら
ノートに記される 原型を留めぬ人の名前
唇で内撚し
欠伸で分解し
膝をたたみ触れる
猛禽の哲学は家族 では、人間は何を言う
貴方が、好きです
今はこんなに醜いけれど
昔は綺麗だったから?
それとも明日になれば?
悪でいい、なんて囁かないで 自分
愛について 何かを知り争いながら
いつか誰かが
私にも、名前を書き加える日が来る
抱いても冷めない
夢を見つづけ
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