保存用/いとう
 
(以前書いた即興短歌。2001〜2002)



催涙ガス食らったみたいに笑いながら泣く君見て笑う僕

目の前で起こったことではない あれはテレビの中 あれは11日

名も知らぬ野花を土足で踏みつけてうつむきながら「花」と名付ける

仰ぎ見る空を隠して泣く人を花は名付けることができない

お互いがお互いを敵と言い続け 平行線は闇の間に間に

さよならをしたいしたいのあいだもも 大好きだから黒木香も

超えてしまうとわからなくなるもの哀れ たとえば超音波哀れ

おはようのちゅーする頬をはたかれて今日も元気に行ってきますを


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