ノイズキャンセリング/即興ゴルコンダ(仮)兼題は博喜さん/足立らどみ
全て選択できる毎日のなかで
かえってますますひと言葉
一言一句が
いのち綱となってしまう
今じゃ喫茶店での雑談すらも
録音しあうから
言葉の本体は
あんまりにも窮屈だと
悲鳴を上げても
ノイズキャンセリング
言葉の本体は
都心では諦めてしまい
割り切れぬ数字の底で
デジタルスキャニング
「もう手遅れなんだよ少子化を止めるのは
ぼくの声を無視するからだへへへのへん」
最後の聖地
沖縄に逃げ込んで
一方通行の発信を続けている
人の多い都心では全部
消費され歌に替わって
トロピカルボイシング
「自分には直接関わらない仕事以外の音楽を
個人で楽しむ分は無料なんだふふふのふん」
それ違法だよ
、、、
だから
都会の純粋詩人らは
参照音声辞書以外は
ノイズキャンセリング
純水の湖で泳ぎながら
詩力で歌を歌うのだろう
自然界には
純水だけの湖なんて
存在しないのにね
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