新百合ヶ丘駅/
アマメ庵
おり犬を連れた人が通り過ぎた。
上がアーチになった窓まどには植物が置かれ、花は咲いていなかった。
そこはリバプールだった。
ビートルズの生まれたと言われるその街を、私は知らない。
冷たい雨の降る新百合ヶ丘駅のプラットフォーム。
カセットテープで聴いたビートルズ。
それが私のリバプールのイメージだ。
イギリスにあるというリバプールではなく、私のイメージのリバプール。
ビートルズを聞けば、私はそこに行くことができる。
私は15才だった。
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