だからもう一度、初演の舞台の中に/ホロウ・シカエルボク
い、そのさなかに、疑問に感じたことはなかったか―本当に?力と勢いのみで突き進んでいるせいだ、それは一見美しいものに見えるだろう、けれどそれに騙され続けていてはいけないのだ、人がその時代に己が道を確信するのは、闇雲な思い入れの強さがあるからなのだ、けれどみんな、そんな熱量ばかりを信じてしまう、そうして、熱を忘れ―大人になる、絵に描いたような、テンプレ通りの大人になってしまう、昔懸命だった自分に舌鼓を打ちながら、弛んだ身体に嗜みとばかりに酒やニコチンを叩きこむ、卒業って言うんだろう…残念ながらそれはドロップアウトさ、人生そのものからのね―固執しなくてはならない、自分を人生に縛り付けているいくつかの物事
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)