だからもう一度、初演の舞台の中に/ホロウ・シカエルボク
けているのさ、そしてそれは決して、寂しい話などでは在り得ない、共有出来る真実など無い、それが規則や共通概念によって甘やかされたような人生でなければ、たった一人で見つけなければならないものはごまんとある、覚えがある筈だ、どこかへ行きたかった、なにかを見つけたかった、誰にも会いたくなかった…そんな時人はいつも、自分自身の真実を力ずくで呼び込もうとしているのだ、衝動の向かう先は、詩文や絵画や音楽だ、なぜ書くのか、なぜ歌うのか、それは、己が存在の認知であり、確認だ、まだこれがある、まだこれを求めている、もうこれは失くしてしまった、これは必要がなくなった、これはそのうちに変化するだろう…生きてる理由など生き
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)