鬼と叔父さん/soft_machine
 
鬼の亡骸には色々あってなと語りはじめる叔父さんの瞳が
異様に赤かったのは\幼い頃は特に不思議でもなく云わば
当たり前の事柄として記憶されていたのだが\どうも変だ
な、何か調子が合わないなと気づいてからは\その意味が
奇妙特異なこととして想われだした

争いごとはいけないんだな
血を啜るのは仕方ないがよ
吸われる方にも作法ってもんがある
そこらへん
判ってくれなきゃよ

煙管という器具が現実として機能するのも
火膨れまみれの叔父さんの両腕から先に伸びる
肉の一部っぽいことが不安にさせた要因で

(だから送り方は風葬に限るのサ)

それでも踵のひび割れに沁みいるよう
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