夜と雨の幕間劇/
ただのみきや
死者たちに
語る空気を送る蛇腹がある
指先の踊る苦痛
気持ちと行動の齟齬の果てに
こころとことばの艀は外される
夜を脱いだ街
釣り上げた悪夢が目の前にある
その口を開いて指を入れてみる
わたしには額の置き場がなかったが
限りなくささやきに近い雨を
糸でつないでいる
朝は霧の刃物を突き付ける
(2023年4月30日)
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