いまはまだもうちょっと/坂本瞳子
 
目覚めたときに窓の向こうから聞こえてくる雨音は
気分を憂鬱にさせることこの上なく
身体のなかに少しばかり残っていたやる気が
一つ一つの雨粒によって流されていく
なんのやる気が残っていたというのだろうか
ただ言い訳を探しているだけのくせに
雨が止んで晴れた空が広がれば
気分も爽快になることを期待などしてはいない
滅入ったままの気分でいいから
もう少しこうしていたいだけなんだ
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