朝の倦怠/花形新次
 
目覚めた瞬間、
唯一無二の人生が続くと聞いたとき
生きることの意味を無に帰す孤独感が襲う

あるがままの自分を受け入れることも
開かれた未来を楽しむこともできず
奪われた時間を刹那的に考え始め
退屈で緩慢な時間の中で苦闘する

孤立の状況で思考が野放しになったとき
苦しい懐中時計の音が脳裏に響く
見えない束縛に潰されそうになり
ただただ焦りと絶望に打ちひしがれる

夜明けが来るまで彷徨う
明日がくるのも怖くなるほどに居心地悪くて
彼方に見える光景も希望の光すら消えてしまう
色褪せた世界で、哀しい歌を口ずさみながら

助けの手もその先もなく、気力も尽き果てて
ただ時間が流れていくだけの旅路は
単調で穢れた心を抱きしめるように
ただひたすらに流れ続けていくのだろう
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