狙いをつけるのは銃弾の役目じゃない/ホロウ・シカエルボク
硝子細工の汚れが気になって仕方が無いが触れると壊してしまいそうな気がして手を出せないままでいる、世界は今日もそんな類の平穏で満ちていた、十五年は前の歌ばかりうたいながらシンクに転がっていた皿を片付けるとようやく今日やるべきことのほとんどが終了した、だからワードを叩き起こしてシリアスの真似事をしているというわけさ…なに、もっと低俗なごっこ遊びに夢中になっている奴らだってごまんといるさ、選択肢はいつだって用意しておいた方がいい、もしもなにもかもを素直に信じ込んで取り返しのつかない傀儡になるのが嫌ならね…遮光カーテンを動かさないせいでまるで把握出来ないのだが、まだ天は煮え切らない薄雲で満ちているだろ
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