拝啓カフカ/ねことら
僕の話をしようか
僕の話は、たとえば
レッド、グリーン、イエロー
いろんな色の林檎から一つだけ
きみの心臓を選んでくる
そんな話さ
カタチはいびつに置いていかれるから
僕らは記号を捨てていく
春、サウンド、澄み切った水彩
線分を一つひとつ、束ねて
ドアが好きだ
開ける前のドア、無数に連なった
全部全部次々開いていく
どの向こう側も
たぶん懐かしいミライがあった
飽和した、透明が
誰かと誰かの輪郭を溶かして
その季節を光と呼んだ
指と指、触れた延焼も
キボウと信じていいから
僕らは、歌を歌うんだ
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