見送る夏/白書易
 
語れぬように、彼方の名を呼びとめることはできない。

それでもあなたにはまだすることが一杯あったはずなんだ
人生分の仕事があなたには残されていた。

私が私以上のことを話すことができないから
ここに居るように

国破らなくても山河在り
論理を欠いた政治のことばもいずれ通じなくなり
城春にして草木深し
人生は人脈が全てである

かんかん日照りに耐えられるだろうか、
些細なことで頭がおかしくなってしまわないでいられるだろうか、
私には誰かに聞いてもらえる話があるだろうか。
時々、思い出すと死にたくなる。
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